マイナス水素イオンとは

「 マイナス水素イオン 」とは一体何者なのでしょうか?宇宙で一番小さい原始である水素に電子を1個余分に付加したのがマイナス水素イオンという解説では、一体何のことかさっぱり見当もつきません。岩波書店の理化学辞典を引用すると;通常、水素イオン(H)はK軌道に一個の電子(e−)が入っていて、H+になっているが、マイナス水素イオン(H)の場合、2個の電子(e−)が入っていてHになっています。H+H→H(水素ガス)となることでその存在が証明できます。とあり「 マイナス水素イオン 」の存在を証明しています。マイナス水素イオンの効用を提案する及川胤昭氏でさえも「マイナス水素イオン(H―)水とはどんな水」の中で、「近年、学術的研究のための分析手段が急速に進歩し、遺伝子レベルまたはタンパク質レベルで色々な事が解りつつある。しかしながら、まだ完全に解明された訳ではない。」とあり、開発・・・解明途中の感じです。
しかしながら、理科の世界にマイナスイオンという言葉はなく、一般には、「負イオン」あるいは「陰イオン」と呼ばれます。Wikipediaによれば、「マイナスイオン」なるものは、和製英語であり、統一的な定義も無い、2003年頃にかけて「健康によいもの」として日本ではやった流行語と解説されています。

固体 マイナス水素イオンが戦う活性酸素とは

固体マイナス水素イオンを含有する健康増進薬の効能書きには「ガンや老化、アレルギーの原因になる活性酸素を、体内で7〜8時間持続的に除去しつづけることのできる」等とありますが、そもそも活性酸素
とは何物なんでしょう?
活性酸素は、・激しいスポーツをする、・煙草を吸う、・紫外線、大気汚染、加齢、ストレス等で、日常生活のさまざまな場面で体内で発生したり、肥満によって増加するとも言われています。しかしながら、実際には、呼吸によって酸素を消費する際に、活性酸素は発生していて、それを酵素により無毒化しているいるのです。活性酸素は、体内では殺菌作用などのプラスの働きもありますが、がんや生活習慣病、老化等、さまざまな病気の原因であると言われています。2005年には日米の共同チームが活性酸素は老化に関与していないとする研究結果が発表されています。活性酸素の疾患への関与は、指摘されていますが、実際には議論の余地がまだまだ多い様です。
抗酸化物質として、現段階で挙げらているのは、ビタミンC、ビタミンE、ベータ・カロチン、ビタミンAなどで、ビタミンCの数百倍の抗酸化効果をもつと宣伝されている、マイナス水素イオンの記載は学術書には未だ無いようです。

マイナス水素イオン いんちき

大気電気学の世界の大御所のドイツのレナードという学者が100年前ころに「滝の周辺にいると爽快感を感じるのは、滝底での衝撃によって、負イオン(マイナスイオンではありません...念のため)となった水の分子が空気中に多いから」という説が、日本に於ける「マイナスイオンブーム」の根拠のようです。このレナードなる人物は、1905年にノーベル物理学賞を受賞した「電子」の権威だったようで、この説は、「レナード効果」と呼ばれています。
マイナスイオンを増やすことで、プラスイオンの弊害を消すことができて、その生理的効果は1.体内細胞の酸性物質を排泄し、アルカリ性に変え、血液の循環をよくする。2.細胞を活性化する 3.血液を浄化する 4.アレルギーを改善する 5.リフレッシュ効果や集中力がアップする、等などいいことづくめの効果が主張されているのです。いいことづくめで人気を博するマイナスイオンですが、その効能は、人体による臨床実験はおろか、動物実験すらされていないのが実態のようです。国民生活センターの、東京都と神奈川県在住の20歳以上の男女を対象としたアンケート調査で、マイナスイオンの効能をうたう商品を購入、使用した人は47.8%で、このうち実際に使って「効果を感じた」人が43.2%、「効果が実感できなかった」人が56.8%だったそうです。

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